「マイノリティと非マイノリティが相互理解できるCafe」で食べる、タルトの味は。③

最終更新: 2018年5月20日

◆③:支えられ、励まされ、託されている◆




ーー今回立ち上げようとしているカフェについて、教えていただけますか?



そうですね。店名は<メム>で、アイヌ語からとりました。

私が北海道出身っていうのと、親友が立ち上げた

アパレルブランドもアイヌ語から店名をとっていて、

そういうのも可愛いなって。

アイヌ語で<メム>っていうのは<泉>っていういう意味なんです。

私の愛称も和泉(イズミ)なんですけど。水が湧いてくる泉のように、

いろいろなことが自然と湧き上がってくるような場所になればいいな、

という願いを込めました。


表記をひらがなにするか、カタカナにするか、

ツイッターでみんなに投票してもらって決めました。

そうやって人を巻き込んでいく、っていう。(笑)



ーー投票した方は、

「私が名付けに関わったあのお店、どうなるんだろう?」って思うでしょうね。



そうなんですよ。勝手な思い込みかもしれないんですけど、

私、人をうまく巻き込める才能があるんじゃないのか、っていう。

そういうの、思い込んだもん勝ちじゃないですか?



ーー思い込んだ時点で成立する才能かもしれないですね。



そう。だったらもう活かそうと。



ーーCafe メム は、どんな場所になるんでしょう?



色々な方が来て、いろいろな交流をしてもらう場所になれば、と思っています。

特に、いま世の中でマイノリティと言われている方々とそうではない方との、

壁をすごく感じるんですね。お互いがうまく相互理解して、

協力し合わないと、これからの世の中って、成り立たないんじゃないかと。


うつとか、発達障害とか、いろいろあるかと思うんですけど、

そういった方々の思いが、例えば当事者会の中だけで完結して、

なかなか世の中に広がっていかない……とかっていうことを感じていて。


だから、みんなが、自分の思いを伝えられる場所っていうのが

できるだけでも、違うのかなっていう。



ーー訪れる人みんなが、誰かに「自分の思いを伝えられる場所」になるんですね。



そうですね。でも、まずは来てくれた人が

楽しく過ごして欲しいなって思います。


あとは美味しい料理。人ってご飯食べてる時が

いちばん無防備になれるのかなって。

直接の話題がなくても、同じようなご飯食べてたら、

話すきっかけになるじゃないですか。


……もう一つは、やっぱり、

うつ当事者のみなさんのお話しをいろいろと聞いていると、

「社会に出たい、働きたい、でも自信がない」って方がすごく多いんですね。

「遅刻するかも、朝起きれないかも、怒られるかも」って、すごい恐怖で。


例えばそういう方が、ふらっと「今日30分だけ働きたい」とかでも

受け入れられるような、そういう雇用とかもしていきたいと思っています。

例えばそういう人が、くる途中で「やっぱり行けなくなった」とかでも、

私はそれでいいと思うんです、「また調子いいときおいで」って言いたいし……


逆に「30分だけって思って来たけど、調子が良さそうだから、

もうちょっといてもいいですか」とかも、「ぜんぜんいいよ」って言いたいし。

それで自信をつけてほしいなっていうか。そういう場、ないじゃないですか。



ーー確かにそうですね。履歴書を書いて面接に行くだけでも、

ハードルがすごく高いと感じている、うつ当事者の方は多いと思います。



そうなんです、そう。本当に。

もし、「人と喋れないんです」っていうんであれば、

じゃあちょっと、玉ねぎずっと炒めてて、とか、

ぜんぜんそういうのでいいと思ってるし。



ーー私も以前、飲食業で働いていたのですが、飲食店は仕事がたくさんありますよね。

掃除をしたり、仕込みをしたり、買い出しに行ったり。



あると思います。なので、洗い物だけお願いします、とか、

ぜんぜんそういうのからでいいと思うんですよね、私は。



ーーそういう柔軟な対応をできるようにするためには、一時的に場所を借りてイベントを

開催するだけでなく、やはり自前の店舗が必要になってくるということでしょうか。



やっぱり、何かに属すると、所属先の理念があったりして、

そこに合わせなきゃいけなかったりとかがあります。

自由に、やりたいことをするためには、自分で場所をつくることがいいのかな、と。


自前の店舗であれば、いろんな意見も取り入れられると思います。

自分の店だけど、みんなの店にしたいので。


全てを選択することはできないけれども、コンセプトにあったものであれば

積極的に取り入れていきたいと思っています。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



和泉さんが掲げる「マイノリティと非マイノリティが相互理解できるサードプレイスをつくりたい」という理念は、うつサポ。を立ち上げるにあたって私が考えていた、「当事者だけでなく、その周囲にいる人たちの意識を変えていきたい」ということと近く、非常に共感するところが大きかったです。 しかし、飲食店を経営するにあたっては、

理念だけでは解決できない、現実的なさまざまな課題に直面することは避けられません。


「未経験者が開業する飲食店は、9割が3年以内につぶれる」という話は、飲食業で働いていた時に私もよく耳にしていました。私は、和泉さんの理念に共感するからこそ、それが実現可能なものなのかを知りたい、と感じました。


そこで、お金や、経営のこと、さらには和泉さんついて、

私は思い切って、かなり踏み込んで質問させていただくことにしました。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーー飲食店は自己資金や借金をして始められる方がほとんどだと思います。

今回はクラウドファンディングで支援を募られているということですが、それを使うことにしたのは、なぜでしょうか?



はい。うつで休職して、その間に傷病手当とかをいただいていたものの、

その時にある程度は自分の貯金を切り崩したりしていたわけだし、

そんなにお金を持っていないっていう現状があったっていうことはあります。


「じゃあ国庫とか助成金とか使えばいいじゃないか」

っていう意見もあると思います。もちろん、今後の

クラウドファンディングの結果によっては、

それを使うことも視野には入れています。


賛否両論あるだろうなと思います。

最初、私もちょっと抵抗があったっていうのもあります。

でも、規約とか読んでいったりとか、いろいろ考えていく中で、

これは、私の理念を応援してくださっているお金なんだ、と思うようになりました。


決してお金を無駄にしないで、

きちんとコンセプトに書いたことを達成することを通して、

支援してくれた方にきちんと<返す>ことができると考えるようになり、

クラウドファンディングで支援を募ることを決めました。


……やっぱり、お金が入る度に私は気持ちが引き締まります、正直。

みなさんに支えられている、励まされている、託されている、っていう風に。


開業するっていう決意をした時から、本当にいろいろな覚悟は決めましたけれども、

日に日に、覚悟というか、思いは強くなってますね。

なので、そこはきちんと自分を律していきたいと思っています。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


その④へ、つづきます。


うつ病になった大切な人をサポートする人が、

「うつを通して大切なひとをもっと愛せるようになる」ための情報が集まるサイトです。

ご連絡はTwitterかFacebookのDMなどでお願いいたします。

  • ホワイトFacebookのアイコン
  • ホワイトInstagramのアイコン