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「マイノリティと非マイノリティが相互理解できるCafe」で食べる、タルトの味は。②

更新日:2018年5月22日


◆②:喜んでくれる人がいる◆




ーー今日はよろしくお願いします。なんだかすいません、私は座ったままで。

今日は、カフェを訪れたお客さんの気分で、取材させていただければと思います。



ぜんぜん大丈夫ですよ!(笑)

よろしくおねがいします。じゃあ、

カレー作っていっちゃいますね。



ーー早くも、いいにおいがしてきていますね。



全然まだまだです!(笑)



ーーこのカレーの、こだわりポイントや、味の秘訣はどんなところでしょうか?



ひたすらフルーツなんですけど……詳しくは秘密です。

甘いのと辛いののバランスが、ポイントですかね。

ほかでは食べられない、インド系とか、ヨーロッパ風とかでもない、

<どこにも属さないカレー>という感じです。


イベントで呼ばれてつくったときに、

「こんなカレー、食べたことない」

ってみんながすごく喜んでくれて。


ちょっと癖になる味って感じなんです。

年配の方は、もう少し普通のカレーが食べたい、

ってアンケートにあったりもしたんですけど……





ーーいろんな方に食べてもらって、研究されているんですね。

和泉さんは、やっぱりお料理がお好きなんですか?



それが私、2年前まで料理をしたことがなくって。

きっかけは、発達障害の方と仲良くなりたいな、

理解したいなと思って、そういう方がよく来られる、

イベントバーに行くようになってからで。


そこでは日替わりで誰でもバーテンダーができるシステムがあって、

自分でも1、2回やってるうちに、どうせやるならちゃんと儲けを出したいな、

きちんと売れる料理を出さないとダメだ、って、そこからですね。


最初は居酒屋っぽい料理をよくつくってたんですけど、

仲間うちの誕生日でケーキをつくったときに、スイーツって

無限の可能性があるな、楽しいな、って思うようになっていって。



ーーいろいろ料理をされてきた中で、特にスイーツが面白く感じた?



スイーツって自由になんでもできる、って思ったんです。

うつで調子悪くなって何もできなくなった時も、

スイーツづくりなら無心になれて、楽しく作業ができて。


それを人に振る舞った時に、みんなが喜んでくれて。

それが自分の存在価値とか、自己肯定につながったというか。


自分なんて何にもできないで寝てるだけだ、みたいなのが、

喜んでくれる人がいる、喜んでもらえる手段が私にはあったんだ、

って思えたのが大きかったですね。



ーー和泉さんのInstagramでは、かなり攻めたスイーツの写真を公開されてますね。



やっぱり……ちょっと変わってるんだと思います、自分自身。

誰もやったことがないこととか、うん。

それで喜んで欲しいというか、サプライズ感みたいなのとか。



ーー驚かせる、楽しませることが、スイーツだとやりやすいんでしょうか。


そうなのかもしれません。

ちょっと前に、ボードゲーム屋さんから、

「常連のお客さんにお誕生日ケーキをつくってほしい」って注文をいただいて。


「せっかくなんでボードゲームみたいなのつくれます?」

って聞かれて、ボードゲームは詳しくなかったんですけど、

「あー、わかりました!」って言って。



ーーあまり詳しくないのに、わかりました、と?(笑)


そこでちょっと、やっぱりちゃんと調べて。

どんなゲームが主流なんだとか、作れそうなのはなんだとか。

そうして、<カタン>っていうボードゲームをモチーフにした

バースデーケーキをつくったんですけど、みなさん喜んでくれて。

それは嬉しかったですね。


【ボードゲームから着想を得たバースデーケーキ。 和泉さん撮影】



ーー今日は、新作のスイーツも持ってきていただいて。すごく楽しみです。



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その③へ、つづきます。



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この記事の、目次はこちら。

①:はじめてもらったメッセージ

②:喜んでくれる人がいる

③:支えられ、励まされ、託されている

④:理解してもらうこと、意見を聞くこと、頼ること

⑤:フルーツハードカレーと、ステンドグラスのゼリータルト

⑥:Cafe メム が<閉じない>ために

⑦:取材を終えて



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